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【令和7年・年末調整・法定調書】準備と法定調書の提出までの流れを解説!初心者向けQ&A方式

年末調整の準備から法定調書提出までの流れをわかりやすく解説したイメージ図

年末調整は、11月の準備から翌年1月の法定調書提出まで約3カ月間続く手続きです。
この期間には年末年始も挟むため、慌てることなく早めの準備と作業をしておきたいところです。
年末調整が初めての方にもわかりやすいように、
「いつから何を始めればよいのか」をスケジュールを中心に、Q&A形式でまとめてみました。


Q1:年末調整はいつからいつまでに行うの?

A:毎年11月中旬から翌年1月末までの約3カ月間です。

  • 11月中旬:年末調整用書類を準備
  • 11月下旬:従業員へ各種申告書を配布
  • 12月上旬~中旬:申告書の回収と年末調整の計算
  • 翌年1月末:法定調書・給与支払報告書の提出

年末年始の休暇を考慮し、11月中に準備を始めるのが理想です。


Q2:11月中旬に何を準備すればいいの?

A:必要書類を国税庁HPから入手して、自社で配布準備を始めましょう。

既に会社に提出している令和7年分の扶養控除等(異動)申告書に、源泉控除対象配偶者・扶養親族・障害者等の変更点がないかを確認し、配偶者と扶養親族の変更があれば個人番号も必要。


Q3:11月下旬はどんな作業をするの?

A:従業員へ年末調整のお知らせと申告書を配布します。

  • 『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』(令和7年分+令和8年分)
  • 『保険料控除申告書』『基礎控除・配偶者控除等申告書』
  • 『住宅ローン控除申告書』(該当者のみ)
  • 前職がある人は「前職の源泉徴収票」を必ず提出してもらう

翌年分の扶養控除申告書を同時回収しておくと効率的です。


Q4:12月上旬~中旬にやるべきことは?

A:申告書のチェックと年末調整の計算を行います。

  • 給与・賞与・社会保険料・源泉徴収税額を集計
  • 給与所得控除後の給与等の金額の計算
  • 提出書類と控除証明書の内容を確認・計算
  • 年間の給与等の税額を計算し、源泉徴収簿を完成
  • 給与支払時に税額の過不足を精算

なお、国税庁HPに年末調整の計算に使用できるExcel版『年末調整計算シート』もございました。
(令和7年用)参考として載せてみました。


Q5:翌年1月に必要な手続きは?

A:税金の納付と法定調書の提出をします。

各期限手続きの内容
令和8年1月13日(火曜日)源泉徴収税額を納付(毎月納付する方)
令和8年1月20日(火曜日)源泉徴収税額を納付(納期の特例の方)
令和8年2月2日(月曜日)給与所得の源泉徴収票を従業員へ交付、税務署・市区町村へ法定調書を提出

税額が「0円」でも納付書(所得税徴収高計算書)は提出が必要です。
専従者で源泉所得税が引かれていない方も対象ですのでご注意ください。


Q6:翌年分の準備はいつから?

A:1月中に翌年分(令和8年分)の「扶養控除等申告書」を回収しておきましょう。

  • 令和8年分『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』を提出してもらい、
    令和8年分の源泉徴収簿を作成
  • この扶養控除等(異動)申告書は、その年最初の給与支給日前日までに給与の支払者に提出が必要

結論 年末調整は順を追って11月から始めるのが理想

年末調整は短期間で多くの作業をこなすため、11月の準備がとても重要です。
スケジュール通り進めれば、1月末の法定調書も安心して提出できそうです。

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                                    税理士 野﨑 梨沙

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