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税務調査の状況(所得税・令和4年度)

税務調査の実態

1 まとめ

新型コロナ前の調査に比べて件数は低いけれども、実地調査は前年度に比べて増加しました。
さらに、追徴税額の総額は悪質な事案を優先したことから過去最高となっています。
ご参考までにまとめてみました。

2 調査の実態

令和4年度の所得税の税務調査の状況です。

①税務調査の件数
 63万7823件(前年度比6.3%増)

②申告漏れについての調査
 実地調査・・・5594億円
 簡易な接触・・・3448億円

③追徴税額
 実地調査・・・1015億円
 簡易な接触・・・353億円

④税務調査の平均調査日
 8.4日
 (悪質な特別調査・一般調査は、9.8日)
 (短期の調査は、3.5日)

3 今後の調査について

以下のような場合を優先するとしています。
①富裕層
②海外投資などをした富裕層・個人
③インターネット取引を行っている個人
④申告していない人(無申告者)
⑤消費税の還付申告者
⑥所得税の不正還付申告

①に富裕層とあるように、令和4年度も富裕層だけでも980億円、海外投資をしている富裕層514億円、
個人で1036億円となっております。

また、最近では企業からSNSを利用し洋服等の宣伝依頼を受け、複数の企業から報酬を得ている個人に対しても申告されていない事案があるとして調査の対象となっているようです。
ご参考までによろしくお願いいたします。


                                    税理士 野﨑 梨沙

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